Celtic Dragon 第6話 召喚獣 エリーニ♀(14)平和 世間知らずで元気で無邪気。 田舎のレイドル地方から冒険者になりたくて首都に出てきた。 レイシオ♀(19)戦士 気が強いが、見栄っ張りな一面もある剣士見習い。 エリーニのお姉さん的な存在。 フートルース♂(35)気まま 自由気ままに生きている冒険者。 なんだかんだで世話焼きな性格。 ディナミス♂(38)力 力を至上のものと考える国王。 自らも剣を握り、前線で戦う。 サーヴレット♂(27)仕える 真面目で紳士な宮廷魔術師。 炎の魔法と得意とし、王国の魔法兵団を始め軍師として王国兵団を指揮している。 サーヴレット:ディナミス様、魔物の増援です! ディナミス:ちっ……まずいな……。 サーヴレット:付近で強力な魔力を感じました。        おそらく、召還されたものではないかと……。         ディナミス:幻獣ではなく、召還された魔物に間違いはないか? サーヴレット:はい、魔物の中でも飛びぬけて体の大きいテラーズに間違いありません。 ディナミス:テラーズか、手強いものが召還されたな……。       あの体格を見れば兵の士気も下がる、やむを得ん、騎兵部隊と歩兵部隊は後退だ!       弓兵部隊、前へ、テラーズに向けて一斉射撃だ!       サーヴレット、お前は魔法兵部隊を率いて大魔法の準備だ!        サーヴレット:はっ! レイシオ:何……これっ……!? エリーニ:お、大きい……。 フートルース:また、えれぇもんが出てきちまったなぁ。        前衛は後退を始めてるな。        さぁて、どうすんだ、あの野郎。         エリーニ:助けよう! レイシオ:えっ? フートルース:ばぁか、今回ばかりは行かせねぇぜ。 エリーニ:はっ、離してよぉ! フートルース:いくらなんでもあいつは無理だ。        今回はここで見学だ。 レイシオ:け、見学って……。 フートルース:あのでけぇ魔物のせいで戦列が乱れている。        そっから漏れてきた魔物だけ倒すぞ。         エリーニ:だって、みんなやられちゃうよ! フートルース:知るかよ、仕掛けたのは国側だろ。        俺達には関係ねぇ。        おこぼれだけ横取りして、適当なところでトンズラこいて組合に報告に行くぞ。 レイシオ:そ、そんな……。 フートルース:前の仕事で手柄を横取りされたんだ。        そんくらいやってもいいだろよ。 レイシオ:……あたしは……そんなことのために冒険者になりたいんじゃないっ! SE:足音 フートルース:あっ、おい、レイシオ! エリーニ:っ! フートルース:いてっ!        あっ、おい、待て!         SE:足音 フートルース:あーーー、くそ、本当に手間のかかるやつらだぜ! ディナミス:弓兵部隊、第2派、撃て! SE:弓の音 ディナミス:ちっ……こんなものでは歯が立たぬか……。 サーヴレット:魔法兵部隊、準備整いました! ディナミス:そうか、頼んだぞ! サーヴレット:はっ!        いくぞ、私を中心とした魔方陣に魔力を集めろ! SE:魔法音 エリーニ:間近で見ると、やっぱり大きい……! レイシオ:ちょっと、エリーニ、前に出すぎよ!      相変わらず足だけは速いんだから! ディナミス:なんだお前達は、ここは危ない、下がれ! レイシオ:は、はい、すみません!      ほら、下がるよ!       ディナミス:……お前達は冒険者の傭兵か? レイシオ:は、はい、何かお手伝いできることがあればと思って……。 ディナミス:組合も手が早いものだな。       残念だが、この魔物はお前達の手には負えまい、下がれ。       力なき者は邪魔だ。        レイシオ:えっ……? サーヴレット:炎を持って大陸を制し永く生きとし生ける者の頂点に立った者よ我に力を与えよ。        今ここに灼熱の炎で全てを焼き払わん!        フィジマ・フレア!!         SE:爆風 エリーニ:うっ、す、すごい爆風……っ! ディナミス:やったか!? SE:雄たけび サーヴレット:な、何だと……!? レイシオ:ええっ!? 兄さん!? エリーニ:えっ? サーヴレット:なっ……レイシオ、お前、なんでこんなところに!? エリーニ:レイシオの、お兄さん……? ディナミス:魔法も効かぬか、前線、下げるぞ! レイシオ:……兄さん、いくら自分が得意だからって、炎の魔法使ったの!?      テラーズの弱点は雷でしょ!       サーヴレット:う……しかしお前……。 レイシオ:……天高く厚い雲の中より生まれし雷を操る者……。 ディナミス:……この者、お前の兄弟……魔法使いか? サーヴレット:は、はい、しかし……。 ディナミス:……お前の血を信じよう。       魔法兵部隊、この娘に魔力を集中させよ! サーヴレット:ディナミス様!?        ……っ、くそ、まかせるぞ、レイシオ!         レイシオ:今ここに光り輝く稲妻で破壊せよ!      アストロフィ・ライトニングボルト!!       SE:雷 ディナミス:くっ……! SE:雄たけび レイシオ:はぁ……はぁ……まだ、足りない……!? エリーニ:でも、動きが鈍ってる!      効いたよ、レイシオ!       ディナミス:雷の力で怯んだようだな。       レイシオと言ったか、助かったぞ。       力なき者と言った非礼を詫びる。        レイシオ:えっ……?      は、はいっ!        ディナミス:戦列を立て直せ、再度前進だ! フートルース:ったく、何の騒ぎかと思ったらお前らの仕業かよ。        こんなに前線の方に行きやがって。         ディナミス:っ!? フートルース!? フートルース:よう、久しぶりだな、国王さんよ。 ディナミス:何をしに戻ってきた? フートルース:戻ってきたわけじゃねぇよ、俺ぁこいつらの子守で来たんだよ。 ディナミス:? どういうことだ? フートルース:ま、詳しいことは後だ。        せっかくテラーズが弱ってるんだ、さっさと仕留めちまおうぜ。         ディナミス:……分かった、頼めるか? フートルース:ここまで来ちまったら引き下がる訳にもいかねぇしな。        組合への報奨金に期待してるぜ。 ディナミス:ふん、相変わらずだな……いくぞ! フートルース:おうよ!