Celtic Dragon 第4話 戦の火蓋 ディナミス♂(38)力 力を至上のものと考える国王。 自らも剣を握り、前線で戦う。 サーヴレット♂(27)仕える 真面目で紳士な宮廷魔術師。 炎の魔法と得意とし、王国の魔法兵団を始め軍師として王国兵団を指揮している。 SE:風 ディナミス:空も荒れているな。 サーヴレット:はい、おそらくは魔物の精霊族が天候を操っているのでしょう。        魔物は悪天候を好みます。         ディナミス:魔物との戦ではいつも空は厚い雲に覆われているな。       雨が降らないだけまだマシといったところか。 サーヴレット:そうですね、この地帯は海に近く、天候を操り雨を降らせた方が魔物には有利になります。 ディナミス:お前は火の魔法が得意であったしな。 サーヴレット:はっ……しかし、今回は水棲族の魔物は見当たりません。        地形を利用するのであれば、場を水の属性に染めて、それ相応の魔物を布陣するのが定石(じょうせき)でしょうが。        おそらく敵軍に指揮官はいないのでしょう。 ディナミス:王国の領土に侵入してきたのは魔物の方からだったが、戦を仕掛けたのは我々だからな。       行軍に恐れをなして頭数だけ揃えたのであろう。       それで、魔物の数はどれ程だ?        サーヴレット:下級妖魔類が2000、アンデット族が800、精霊類が500、大型妖魔が30ほどです。        いずれも統率されておらず、精霊類が後方に陣を構えている以外に陣形はありません。 ディナミス:こちらの軍に異常はないか? サーヴレット:はい、大きな変更はありません。        騎兵部隊400、歩兵部隊3000、弓兵部隊1000、魔法兵部隊200、いずれも配置につきました。        ただ、軽装歩兵団第三分隊からの連絡が少々遅れている程度です。         ディナミス:構わん、行軍に問題はない。 サーヴレット:……しかし、このところ、魔物の侵攻が激しいですね。 ディナミス:そうだな、以前に比べて討伐の頻度が増してきた。 サーヴレット:ふっ……我が国の繁栄を妬んでいるのでしょうか。 ディナミス:魔物がそのような感情を抱くとは思えんがな。       しかし、繁栄と共に魔物の侵攻は確かに激しくなってきた。       ふ……もしかしたら、本当にそうなのかもしれんな。 SE:馬のいななき サーヴレット:全部隊の通知、届きました。 ディナミス:土の刻、時間だ、定刻には間に合ったな。 サーヴレット:はい、陛下。        いつでも行軍可能です。 ディナミス:ああ。 SE:剣の音 ディナミス:みな、聞け!       目の前に構えるは魔物の軍団だ!       寄せ集めの魔物の集団よりもこちらの方が戦力は上だ!       領土を侵す侵略者に力の制裁を!        SE:うおおおお! ディナミス:行くぞ! SE:うおおおお! ディナミス:騎兵隊は先陣で突撃、重装歩兵隊は私に続け! SE:馬のいななき ディナミス:サーヴレット、援護は頼んだ! サーヴレット:はっ!        炎を司る精霊イフリートよ、その力を示せ!        フレア・アロー!         SE:炎 SE:魔物の悲鳴 ディナミス:うおぉぉおお! SE:斬撃 ディナミス:貴様らがいくら束になってかかってこようと無駄だ! SE:斬撃 ディナミス:ふん、手ごたえのない。       騎兵部隊、さらに突撃だ!       歩兵部隊、遅れるな!        サーヴレット:魔法兵部隊は確実に敵を仕留めろ!        大きな魔法を使う者は、味方の布陣に注意しろ! SE:戦闘音 ディナミス:その程度か!       力なき者は無に還るがいい!        SE:斬撃        サーヴレット:伝令です!        騎兵部隊が敵陣後方の精霊族付近の魔物に接触しました!         ディナミス:よし、騎兵部隊は散開、軽装歩兵部隊前へ!       怯むな、突撃だ!       いくぞ、我が王国繁栄のために!        SE:雄たけび ディナミス:おおおおぉぉぉ!