Knight Memory Tale 第二話 作る記憶 ルフェリア(♀)おとなしい、記憶をなくしている ディルグ(♂) ぶっきらぼう、現実主義 リュティ(♀) 元気でお気楽主義 リュティ:あっ、お兄ちゃんおかえり〜。 ディルグ:ああ、ただいま。 リュティ:どうだった〜? お魚とれた〜? ディルグ:おう、今日も大漁だぜ。 リュティ:やったぁ〜! さすがお兄ちゃん!      ……あれ?お兄ちゃんの知り合い? ルフェリア:え? あ……あの……私……。 ディルグ:ん、ああ、まあ、釣りしてた時に会ってな。 リュティ:なに〜? お兄ちゃんのいい人なの〜? んふふ。 ディルグ:ばーか、今どき水浴びなんてやってたから連れてきてやっただけだよ。 リュティ:えー!? お姉ちゃん水浴びなんてやってたの!? ルフェリア:えっ? ……あ、うん……。 リュティ:風邪ひいちゃうよー! ちょっと待っててね! ディルグ:相変わらず忙しいやつだな。 ルフェリア:あの……ごめん、私、じゃまだったかな……? ディルグ:ん? ああ、気にするなよ、あいつは俺の妹のリュティだ。 ルフェリア:あ、そうなんだ……。       ふふ……いい妹さんね。 ディルグ:ん〜……まあな、俺が将軍辞めてもしっかり家のことやってくれてるしな。 ルフェリア:将……軍……? ディルグ:ああ、俺、以前、将軍やってたんだ。      でも、意味なく戦いに駆り出されるわ、上は無茶ばっかりいうわで辞めたんだ。      ……どうした?大丈夫か? ルフェリア:えっ……あ、うん、大丈夫……。       将軍……私は……。 リュティ:おねえちゃ〜ん、着替えなよ〜、こっち来て〜。 ディルグ:呼んでるぞ。 一応服は乾いてるけど……着替えてこいよ。 ルフェリア:うん、ありがと。 リュティ:お姉ちゃん背高いね〜、あたしの服入んないから、とりあえずお兄ちゃんの服でいいかな? ルフェリア:うん、何でもいいよ、ありがとう。 リュティ:って、お姉ちゃん、その服! 大丈夫!? 血だらけじゃない! ルフェリア:あっ……うん、大丈夫、私はケガしていないから。 リュティ:そっか……あ、そういえば昨日だっけ、平野で大きな戦いがあったらしいもんね……。 ルフェリア:うん……私、そこに居たらしいんだけど……何も覚えてないの……。 リュティ:そっかぁ……うん、何もないけどさ、何か思い出すまでうちに泊まっていってよ。      そのうち何か思い出すって、ね? ルフェリア:ありがとう。 でも、いいの?       こんな見ず知らずの人間を泊めても……。 リュティ:よしっ、ちょっとぶかぶかだけど、服はこんな感じで大丈夫だね。      いいよね〜、お兄ちゃん、このお姉ちゃん泊めても〜。 ディルグ:ん? ああ、構わねえよ。 ルフェリア:ごめんね、ありがとう。 ディルグ:ん? お前、俺の服貸したのか? リュティ:当たり前でしょ〜、お姉ちゃん背が高いだからあたしの服はいんないもん。      あ、なに〜? お兄ちゃん、お姉ちゃんがあたしのたけの短い服を着たところ見たかったのぉ? ディルグ:あほか。 はよ飯作れ、腹へった。 リュティ:あはは、じゃあお姉ちゃんも、ちょっと待っててね〜。 ルフェリア:あ……うん……。       ……あの……ディルグ……私、たけの短い服着た方がよかった? ディルグ:ぶっ!な、何言ってんだよ……。 ルフェリア:その……私なにもお返しできないし、その……ディルグが喜んでくれるなら……。 ディルグ:ばーか、い、いいよ、そんなの。 リュティ:はーい、できたよ〜、今日も焼き魚定食だけどっ。 ディルグ:うい〜、いただきまーすっ、と。 ルフェリア:いただきます。 リュティ:あ、そういえばお姉ちゃんの名前きいてなかったね。 ルフェリア:あ、私、ルフェリアって言うの。 リュティ:ルフェリアかあ、いい名前だねっ。 ルフェリア:ええっと〜……。 リュティ:あっ、あたしはリュティ。 ディルグの妹やってまーす。 ディルグ:お前、それなんかの職業かよ。 ルフェリア:リュティ……さんね。 リュティ:あー、もうリュティでいいよっ。 お姉ちゃんの方が年上なんだし。 ルフェリア:そ、そう? じゃあ……リュ……ティ? ……このお魚おいしいね。 リュティ:ありがとっ! ん〜、なんかいいなあ、久々にお姉ちゃんとお話してるみたいっ。 ルフェリア:え……?久々? ディルグ:ああ、一応、俺らにも姉貴がいたんだ。      急にふらっといなくなっちまったんだけどな。      ま、あいつのことだし、どっかで図太く生きてるんだろうけど。 ルフェリア:そう……なの……。 リュティ:そーだよね〜、あのお姉ちゃんならどこでも生きていけるもんね〜。      だから、ルフェリアは新しいもう一人のお姉ちゃん! ルフェリア:……うん、ありがと、リュティ。 リュティ:あはは、よろしくねっ、ルフェリアお姉ちゃん!      って、あー、お兄ちゃん、それあたしのお魚っ! ディルグ:ん? いいじゃねーか、俺ぁ腹へってんだよ。 リュティ:も〜……。      もう一匹焼く? ディルグ:お前がまだ食いたいならな〜。 リュティ:お兄ちゃんヒドス!