とある国家の風景10〜迷子〜 リヴラ(♂)クール系。やる気なし男 サウファ(♂)さわやか系。 システィア(♀)高飛車、ネジが一本抜けてる ミスト(♀)真面目で静か。 ミスト:あの〜……システィアさん? システィア:何かしら? ミスト:本当にこっちの道で合ってるんですか? システィア:ええ、地図通りに進んでいますわよ。 サウファ:ここ、さっきも通らなかったっけ? システィア:あら、そうかしら? ミスト:私もそんな気がするんですが……。 システィア:おかしいですわね、ちゃんと地図通りに進んでいますのに。       似たような道だから見間違いじゃなくて? ミスト:そう……ですかねぇ……。 システィア:じゃあ、目印でもつけておきましょうか。 ミスト:って、システィアさん? システィア:それっ。 サウファ:うわっ、豪快だね。 ミスト:な、何も木をモーニングスターでへし折らなくても……。 システィア:これなら分かりやすいでしょう? サウファ:というか、僕たち遠足に来ただけなのに、システィアさん武器も持ってきちゃったんだね。 システィア:おほほ、兵士たるもの、武器は常日頃から持ち歩くものですわ。 サウファ:まあ、重くないのなら別にいいんだけどね。 ミスト:い……いいのかなあ……。 サウファ:あれ? あそこに見えるのは……さっきシスティアさんが倒した木じゃない? システィア:あら、おかしいですわね。 ミスト:これって、あきらかに同じところぐるぐる回ってますよね。 システィア:地図だと、この山道の入り口は右に曲がるんですけどねぇ。 ミスト:それから先は? システィア:まずは右に曲がるのではなくて? ミスト:いや、右に曲がった後はどう行くんですか? システィア:いえ、だからまずは右に。 サウファ:……もしかして、ずーっと右に曲がってたとか……。 ミスト:……ありえる、システィアさんならありえる……。 サウファ:とりあえず僕が地図を見るよ。 システィア:お願いしますね。 サウファ:ええーっと……むこうに集落が見えて、あっちに二つ山が見えるから……。      少し戻って、左に曲がるみたいだね。 ミスト:さすがサウファさん〜。 リヴラ:あれ? お前らどこ行ってたんだ? サウファ:え? システィア:あら、リヴラさん。 リヴラ:もう帰るぞ。 ミスト:え?……えー!? リヴラ:お前らあんまり来なかったから、もう頂上で飯食って帰るところだぞ。 ミスト:その、探しに来てくれたんじゃないんですか? リヴラ:いや、別に? サウファいるから大丈夫だろうなー、とは思ってたが。     あ……システィア……。     そういうことか、なるほど、分かった。 ミスト:な、何が分かったんですか!? リヴラ:最初にシスティアに地図を渡したのが運のつきだったな。 ミスト:えー!? どういうことなんですか!? リヴラ:お前ら、去年この行事に参加してなかったもんな。 サウファ:だからシスティアさんに地図渡したんだけど……。 リヴラ:まあ、帰り道で合流できてよかったな〜。     去年はグリアスとシスティアがはぐれちまって捜索部隊が編成されたもんな。 ミスト:そ……そ、そうなんですか……。 システィア:わたくしが何か? リヴラ:グリアスだったからよかったものの、見つけるまでに何日かかったか……。 ミスト:わー! 帰りましょう! 今すぐー!