とある国家の風景9〜萌え化計画〜 エルミス(♀) クール、根は優しい ソライア(♂) 沈着冷静、礼儀正しい クレム(♀)姉御系。言葉巧み クレム:うーん……。 ソライア:クレムさん、どうしたんですか? クレム:いや〜、エルミスのことがちょっとね。 エルミス:私がどうかしたのか? クレム:そう、その口調? エルミス:口調? 何かいつもと違うか? クレム:いや、そのいかにも軍人っ、みたいな口調、疲れない? エルミス:はあ? 別に私はこれが普通だからな。 ソライア:そういえばそうですね、この口調以外のエルミスさんって見たことないですね。 クレム:でしょ〜? エルミスだって女の子なんだから、普通に喋ればいいんじゃない? エルミス:普通といっても……これが私の普通だからな。 クレム:えー、その口調って軍に入ってからでしょ? エルミス:ん? ……んー……そ、そうだな。 ソライア:ということは、軍に入る前は普通の女性の口調だったのですね。 クレム:エルミスのそういうとこ、見てみたいな〜♪ エルミス:ば、バカか、今更そんな恥ずかしいことできるか。 ソライア:別に恥ずかしいことじゃありませんよ。 クレム:ねー。 今は戦争もなくて平和なんだし、そんなかたっ苦しくする必要ないわよ。     いや、むしろ、今は萌えを世の中は求めているのよっ。 エルミス:も、萌え? ソライア:そういえば、最近は町でよく見かけますね、コスプレとか。 エルミス:いるか!? 町にそんなのいるか!? クレム:ましてやエルミスは軍人、そのギャップも重なって威力は倍増よ。 エルミス:何の威力だ……。 クレム:ねぇねぇエルミス、「萌え萌え〜」って言ってみて。 エルミス:は、はぁ? ソライア:いっそ「萌え萌えきゅんっ」とかの方がいいんじゃないですか? クレム:ソライア、あんたそんな知識どこで拾ってきたのよ……。 エルミス:あのな、お前ら……。 ソライア:もしかしたら、これは兵士の士気の向上に繋がるかもしれませんよ。 クレム:あんたが言うとなんか説得力あるわね。 エルミス:そんなわけあるかっ! クレム:いやでも、そんな一言で、もし士気があがるようならすごいことじゃない?     言ってみてよ、さぁさぁ! ソライア:一言でいいんですよ、さあ。 エルミス:え……え〜……。      ……萌え萌えきゅん……。(静かに棒読み気味に) クレム:……足りないわねー、そんなのただの棒読みじゃない。 ソライア:言葉としては有効ですが、感情が伴っていませんね。 クレム:そうね、もっと媚(こ)びるのよ! エルミス:アホかお前ら! クレム:ちゃんと言うまで帰さないわよ〜。 ソライア:給料の査定にも響きますよ。 エルミス:あ、あのなあ……。 クレム:さぁさぁ! ソライア:さあさあ。 エルミス:う……くう……こほん……。      萌え萌えきゅんっ♪(精一杯萌え声で) クレム:ぷっ……きゃはははは! すっ、すごいわエルミス!     なんという萌えパワー! エルミス:う、うるさい! ソライア:エルミスさんは軍に入る前はこのような感じだったのですね。 エルミス:違う! 断じて違うぞ! クレム:はぁ〜、いいもの聞かせてもらったわ〜。     あー、面白かったー。 ソライア:また聞かせてくださいね。 エルミス:え? おい、お前ら!?      投げっぱなしか!?      おーい! あんまりだー!!