とある教室の風景14〜魔界カップリング〜 ■ しほ 16歳♀高校二年 引っ込み思案で、何事にも裏に裏に考えてしまう。 大人しく、口数は少ない。最近趣味が暴露されつつある。 ■ さゆか 16歳♀高校二年生 ドジっ子。持ち前の明るさで周りを明るくするような子。 ポジティブ人間でよく喋る。 さゆか「うーん」 しほ「どうしたの?」 さゆか「魔界、ってあるのかな?」 しほ「え? 魔界?    いきなりどうしたの?」     さゆか「いや〜、昨日かなみに借りたラノベが魔界の話でね〜。     実際にあるのかな〜、と思ってね」      しほ「魔界……な、ないんじゃないかなあ……」 さゆか「そうかなあ、あったら楽しいと思わない?」 しほ「あ、危ないんじゃないかなぁ……」 さゆか「魔界でしょ〜、サイクロプスとかデーモンとかさ〜」 しほ「サイクロプスとデーモンかあ……ちょっと怖いかな……」 さゆか「そっか、それなら、サタンとかインキュバスとか」 しほ「……あ……それ、ちょっといいかも……」 さゆか「いい、って?」 しほ「あっ……! い、いや、なんでもないよっ……!」 さゆか「インキュバスとか魔界のプリンスって感じでかっこよくない?」 しほ「そう……だね……インキュバス……誘い受けかな……」 さゆか「ん? 何て?」 しほ「や、な、なんでもないよ……!」 さゆか「サタンもさ〜、王様って感じで魔界を支配する雰囲気あって素敵じゃん」 しほ「王様……だよね、やっぱり……鬼畜攻め……かな……」 さゆか「し〜ほ〜」 しほ「え!? な、何?」 さゆか「あんたまたカップリングとか想像してたんでしょ」 しほ「そ、そそそ、そんなことないよっ……!」 さゆか「じゃあさ〜、サイクロプスとデーモンだったら、どう?」 しほ「え〜……サイクロプスはちょっと……」 さゆか「美形に擬人化してみたら?」 しほ「美形に?    ……はうっ……お、襲い攻め……」     さゆか「デーモンとかすっごい悪い感じだよね〜」 しほ「そ、そうだね……策略攻めかな……」 さゆか「さ、策略攻め……なんかマニアックね……」 しほ「え? あっ、いや、何でもないよっ……!」 さゆか「他に魔界の擬人化だとどんなのがあるかなあ……。     いっそ、ゾンビとかスケルトンとかっ」      しほ「そ、それはきついなあ……。    でも、ゾンビなら……やっぱり受けだよね……フェロモン満載の誘い受け、かな……。    スケルトンって、スマートな感じするし……か、かた……そうな攻め……きゃ〜」     さゆか「よくもまあ、次々と……」 しほ「え? い、いいい、いや、な、何でもないからっ、聞かなかったことにしてっ!」 さゆか「まーでも、しほ的に魔界も結構いい感じじゃない?」 しほ「そ、そうだね……私もそのラノベ読んでみようかな……」 さゆか「でさ〜、しほ的にはどれが一番萌える?」 しほ「え? ど、どれが一番か、って……?    うーん……やっぱり……デーモン×インキュバスかな……。    策略系と誘い系でかけひきが……きゃ〜〜〜!」     さゆか「あ、かなみ、デーモン×インキュバスってどう思う〜?」 しほ「だから、他の人には言わないでー!」